玉掛け作業のポイント解説

シャックル犬

吊り荷に玉掛け用具を掛ける方法も、前回同様に様々なパターンがあるんだよ。今回も代表的な掛け方を紹介していくね。


玉姫

ちょっと!そろそろ休憩時間でしょー!?


シャックル犬

無視無視~♪

吊り荷に玉掛け用具を掛ける方法

目掛け(アイ掛け)

吊り荷に付いている吊り金具等に、玉掛け用具(例:ワイヤロープ)のアイを掛ける方法だよ。
吊り荷に吊り金具等がついてれば、容易に掛けられるし、
バランスの良い吊り荷に専用的に使われる場合が多いよ。



安全ポイント
・玉掛け用具が緩むと、吊り荷から外れる場合があるので注意すること。
・吊り金具が付いている運搬箱であっても、中身が片寄っていれば、運搬箱が傾く恐れがあるので注意すること。



半掛け

玉掛け用具(例:ワイヤロープ)を荷の下に回して掛ける方法だよ。
重心の安定している荷に対して、簡便な掛け方だよ。




安全ポイント
・荷振れや接触等により、玉掛け用ワイヤロープの掛け位置が移動し、荷が落下する恐れがあるので注意すること。
・吊り角度が大きくなると、玉掛け用具(例:ワイヤロープ)が互いに引き寄せられ、滑りやすくなるので注意すること。(当て物などで、玉掛け用具がズレないような措置をすること。)




目通し(絞り)掛け


玉掛け用具(例:ワイヤロープ)で荷を、目通しで絞る方法だよ。
吊り荷が絞り込まれることによって、摩擦力が増し、吊り荷と玉掛け用具(例:ワイヤロープ)の滑りを防止することができるよ。


半掛け


安全ポイント
・深絞りする場合、玉掛け用具の絞り部分には大きな張力(通常の2ー3倍)がかかり、著しく強度が下がったり、変形等により、玉掛け用具の寿命が短くなる事があるので、注意すること。
・角張った吊り荷に掛ける場合、ワイヤロープの加工部分が角に当たらないように注意すること。
・シャックルを使う時は、絞り側にボルトがこないように、シャックルの向きに注意すること。
(参考:「玉掛け用具の解説」シャックルの取り付け方向)



あだ巻き掛け

吊り荷に玉掛け用具(例:ワイヤロープ)を1回巻き付けて掛ける方法だよ。
内側に引き寄せようとする力を防止するために、最も効果的な掛け方で、特に長尺物の吊り荷に最適だよ。



安全ポイント
・玉掛け用具(例:ワイヤロープ)が重ならないように掛けること。



くくり吊り

1本の玉掛け用具(例:ワイヤロープ)を折り返し、
(1)アイに折り返し部分を通す方法と、
(2)折り返し部にアイを通す方法、
(3)エンドレスワイヤロープを使う方法、の3種類があるんだ。
1本1点吊りを避ける方法として使われているよ。


(1)アイに折り返し部分を通す


(2)折り返し部にアイを通す


(3)エンドレスワイヤロープを使う

安全ポイント
・(2)折り返し部にアイを通す方法は、フックに掛かる張力が不均等になる可能性があるので注意すること。


その他(おすすめしません。)

円柱ように、底面が円形の吊り荷に、2本のワイヤロープを荷の底面で
交差させて掛ける「あや掛け」や、1本吊りなどを現場で見かける事があるかもしれないけど、
吊り荷が不安定になりやすいので、あまりお勧めしないよ。
特に1本吊りは原則禁止しよう!!絶対に使わないこと!




玉姫

もぉー!!オーティー!
一気に説明しすぎよ!可愛い生徒をもっと気遣ってよねぇ~!


シャックル犬

その生意気な口を「あだ巻き」にして…あ~げ~よ~う~か~!?


玉姫

どうしよう。全然怖くないわ…。


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